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2010年12月 1日 (水)

車椅子での外出

 車椅子単独旅の最中に感じたたくさんの事を 自分の記憶の為にも記しておきます。

 「全然歩けない訳じゃないし、日本語通じるとこだし、いざとなったら立って車椅子を自分で押せばいいし、通りがかりの人に頼めばいい。なんとかなる!」と思ってはいたけれど、前夜、荷物を膝に積んで(落ちないように首からベルトで下げる)移動のシュミレーションしたら、急に悲しく不安になった。

 春日井駅は、向こう側のホームへ行く階段の上下がある。切符を買った日に昇降機を出してくれると確認したけれど、そこまで大げさにしてもらうのも申し訳ない。

 それで隣の勝川駅(エレベーターあり)から乗る事にした。タクシーから降りた目の前にエレベーターが! 運転手さんよく知ってるわ!

 感謝しつつ乗りこんで上昇…降りた先はなんと! 駅前のビルに通じる空中回廊。駅舎は目の前に見えるのに繋がってない! 階段が目に付いたけど、さすがに降りられないし、人も通らない。

 その瞬間は、孤独で不安だったなぁ。

 幸い 時間に余裕はあるし、まずは冷静になってエレベーターで戻る。駅はエレベーター完備って事は間違いないし。

 地上を走行して新しい駅舎に入ったら、ちゃんとエレベーターあったわ!

 改札口に行くと、切符を買った時、春日井駅から連絡が行っていて、新幹線の切符の確認されて「ホームでお待ちください」と。

 過剰に車椅子を押されるのは嫌なので これくらいの対応がいい。

 列車が入って来た。

 ところが!! ホームと列車の間は隙間だけじゃなく段差もあった! 自力では無理だ。周りの人は通勤や通学で頼めそうな雰囲気じゃないし…と考えてるうちに列車は行ってしまった。

 この時も悲しかった…。

 さてどうしよう。次の列車も乗れないじゃん。

 そんな時、先日みた夢を思い出した。『端っこだけ引っ掛かれば大丈夫』と言うのは 『前輪だけ乗れば多少の段差は乗り越えられる』って事だったわ!

 でも自力で前輪を上げられる高さじゃなかったな…改札口に戻ってお願いするしかない。

 …で戻ると、先ほどの駅員さんが何か持って(簡易スロープでした)出てくるところ。

「名古屋駅との連絡に時間がかかってしまって」と。あら、上がって来てくれる予定だったんだ。それならそうと言ってくれればいいのに。

 二人で最後部で待つ。こういう時間って困るのよねぇ…。仕事中に申し訳ないって思うし。

 名古屋駅ではスロープが無く、駅員さんが前輪を上げて下ろしてくれた。私のぴっちぃ号は、後ろに倒れないように小さな車輪が後部についてるし、松葉杖を乗せて移動できるように別注の小さな籠もついてる。それが邪魔して前輪アップしにくいのよね。

 人に押してもらうと 前を歩く人にぶつかりそうな気がして怖いから、自分で行きたい。でも混雑するホームでは、背丈の無いぴっちぃ号は 人の視界に入らない。それこそぶつかった勢いでホームの下に落ちるかもしれない。

 ここは大人しく押してもらう事にする。セミオーダーのぴっちぃ号は押し手の位置も低くて、普通の身長の大人が押すのは 腰にかなり負担がかかる。

 ホームからエレベーターで降り、新幹線口に向かう。

 下りのスロープは「ここは一人で大丈夫ですから」と 両手で軽く押さえてブレーキをかけつつ下る。

 新幹線ホームへ上がろうとするので「ここからは本当にもう一人で行けます。トイレにも行きたいし」

 「トイレはあちら側です。広島行きのホームはこちら側ですからね」と教えてくれて、向こう側の身障者トイレ前まで押してくれた。

「本当にここで大丈夫ですから、ありがとうございました」

「ほんとうですか…じゃあ気をつけて。発車時刻にはホームに行きますから。11番乗り場に居てくださいね」

 トイレを済ませてホームに上がり、お弁当を買ってゆっくりして、発車時刻間近に11番乗り場に行くと、先ほどの人が待ってた!

 って事は 彼はずっと「私係」として付き添ってくれるはずだったんだろうか?

 新幹線内でも ちゃんと伝達されてた。

 広島で降りる時は、車内の担当者と広島駅の人で受け渡し。

 ホームで待ってる人を左右にかき分けて「通してくださーい」としずしず下ろしてもらうのは、なかなか恥ずかしい。

 勝手知ったる広島駅。タクシーでビッグアーチまで行くか、体力があれば いつものように横川まで在来線で行って、そこからタクシーの予定。

 体力に何の問題も無いので横川まで行く事にした。

 そこでも、新幹線ホームからずっと駅員さんが押してくれる。

「列車に乗る時だけで大丈夫ですから」と言っても押してくれる。

「ロッカーに荷物を預けたいので」と言うと、ロッカーの前まで押してくれる。

 ガタガタ道じゃなければ大丈夫なんだけどな…せっかくの厚意なので押してもらった。

 ところがね、いざ列車が到着して乗せようとしたら、後部の小さい車輪に気付き「スロープが必要だ」って事に。

 私は、さっき何も無しで下ろしてくれたからいけるんだと思ってたんだ。乗るのと降りるのは違うのかも。

 駅員さんが走って簡易スロープを取りに行く。

 そしたらね、先に乗ってた女性が降りて来て乗せようとしてくれる。

 私が一時降りて 車椅子だけ乗せてもらえば いけるんだよね。

 女性と悪戦苦闘してる所へ簡易スロープが到着し、無事に乗車できた。

 駅員さんと女性に何度もお礼を言いました。

 横川駅では、いつも利用してるエレベーターがあるので、お迎えの駅員さんに「ここから大丈夫です」と。

 無事にタクシー乗り場に着く。

 やっぱり助けてくれる人はいるもんだ。

 ところが、タクシーでビッグアーチに行ったはいいけど…。

 以前、試合当日にタクシーでスタジアム正面まで上がった記憶を頼りに「こちら側から上がってください」とお願いしたその道の途中に鉄の柵。

 仕方なくじゃりの駐車場に。以前はそこから杖で階段を上がったけど、この日はそれができない。さて困った。

 サンフレッチェ事務所に電話する。

「ビッグアーチに電話してみてください」と電話番号を教えてくれる。それをメモしてくれるタクシーの運転手さん。ナイスでした!

 ところが、その電話が繋がらない。私に代わって運転手さんの携帯電話でかけても繋がらない。何度かトライしたけどダメ。

 運転手さんが鉄柵を移動させて強行突破すると。

 小心者の私は「えぇぇぇぇ…?!」

 鉄柵は動かず、掃除をしてるお兄さんをつかまえて運転手さんが「こうやって遠くから車椅子で来てるのに何とかならんか」と怒る。

 お掃除のお兄さんに言っても困るよねぇ…。

 見ると正面の坂道は 人がそぞろ歩いてる。これ以上 お兄さんを困らせるのも 運転手さんを困らせるのも嫌なので「誰かに押してもらいます」と。

 すでにメーターを止めてくれてた運転手さんが「大丈夫かなぁ」と言いながら車椅子をトランクから下ろしてくれる。

 そしたら掃除のお兄さんが「僕が押していきます」と。

 こうしてなんとかスタジアム正面までたどりついたのでした。

 でもお掃除のお兄さんは管轄外。誰かに見られたら困るんでしょうね。

「ここまでですみません」と放置された所にスタッフの姿は無く、私は緩く長い勾配を上るはめに。

 ここもちょっと泣けた。

 普段はそれほど気にならない勾配だったけど、つかまる物も無い長い勾配を車椅子で上るのは けっこう大変だった。何度も下がりながらよろよろと上る。惨めな姿。

 スタジアムの中には若いお友達が居るはず。携帯で連絡すれば来てくれると思う。でも彼女達が来てしまったら、車椅子ごと私を持ちあげて階段を上がる事になりかねない。

 5段くらいだったら私も車椅子から降りて自力で上るけど、スタジアムの階段は長いのよねえ~~~泣。

 そこで見つけたスタッフのMさん! 本部の偉い人なんだけど、いつも笑顔で動きまわってる姿をスカパーで見てる(爆

 仕事中で申し訳ないと思いつつ呼びかけた。地獄に仏とは まさにこのこと。

 その場で本部に確認の電話を入れて、明日に備えて駐車場の地図をくださったり。

 そしてエレベーターでコンコースまで連れてってくれた。

 期待のスタジアムの裏側は あっという間の通過で、おまけに選手達の移動スペースとは隔離されてたもよう。

 コンコースに上がると サンフレ娘達が見つけて駆け寄ってくれて、Mさんに「ありがとうございました」

 誰かが絶対に助けてくれるから何とかなった。

 でも いちいち介助を頼まなきゃいけないし、人の手を煩わせないといけないのは やっぱり辛いな。

 自分の脚で行きたい時に行きたい所へ移動できるって 普通の人は当たり前に思ってるけど、ありがたい事よ。

 そして私も、不便を感じつつも「身障者が外に出てくるんじゃないよ」ではなく「お手伝いさせていだだきますよ」って世の中に感謝してます。

 翌日からの雑感は また別の日に。

 

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