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2011年5月13日 (金)

簡単には学習できない…

 昨日は、母を近所のかかりつけ医へ連れていく日。

 アリセプトや骨量を増やす薬が無くなるから。(私は薬の管理に関しては徹底してる)

 それで前日からひと悶着。迎えに行く時刻の確認の電話をすると

「どうして医者に行かないといけないの?」(すでに怒りモードの母)

「薬が無くなるでしょ」

「お母さん、もう薬なんか要らないよ。腰の痛みももう無いんだから」(前の日に腰が痛いって言ってたのに…)

「腰の薬じゃなくて、物忘れの薬」

「そんなもの飲んだって治らないのに」 

 こういう電話のやり取りがあって、昨日は行く前から気が重かった。

「今から出るよ。支度しておいてね」と電話すると またしても

「どこへ行くの?」

「S医院だよ」

「何しに行くの!? お母さん もう行かなくていいのに」

 で、前日の説明を繰り返す。

 実家に着くと普段着のまま…でも穏やかに

「S医院行くから支度してね」

…そして「何しに行くの?」から以後繰り返し。

 今度はいちいちノートテイクだから 面倒くささが2倍。

 すると「診察券が無い」と来た。

「○○どこにある?」「どこだっけ…」も ここんとこ毎回の事。病気だから仕方ないと そこは穏やかに(穏やかなふりをして)一緒に探す。

 バッグも財布のポケットも貴重品の引き出しも。捜しながら、私の中の次の予定の『母の生活費を下す』為に通帳や印鑑も準備する。

 持ってきたおかずも 器に移して それぞれに説明メモを書いて貼り付け、冷蔵庫に入れる。冷蔵庫にも『ハンバーグ・サラダ・えんどう卵とじ・筍・コーンスープ 冷蔵庫にあり。5月12日 夜に食べて』と大きく書いて貼り付ける。

 バタバタしてる私の横で 母は落ち着いた声で「無い」 

 無いじゃないわ! と内心舌打ちしながら

「いいわ。再発行してもらえばいいから、とにかく行こ」

 母はこの時、おそらく失くした事で自信を失ってるんだろうな。どんどん不機嫌になっていく。私も同じ。

 向かう車内で 母が財布の横のポケットから診察券発見。(ん~このポケット 私が気付かなかったのは悔やまれる)

 S医院へ着くと待合室で「どうしてこんなに何度も来ないといけないの」と怒りの発言。

 上記の説明を繰り返す。

「高いお金ばかりとって。この前も2万円も払ってるよ。年寄りは金づるなんだわ。お母さん、どこも悪くないのに」

 その2万円はデイサービスを利用する為に提出する健康診断の費用。それについても もうすでに何十回と説明してる。

 「デイサービスを利用するのに必要で…」と 同じ説明をノートテイクする。

 でも母の怒りはどんどん上昇していく。声が大きくなる。

「もう薬なんか飲まないよ。飲んだって良くなる病気じゃないんだから」

「良くならなくても悪くなるのを抑えてるんだよ」と書く。

「どこも悪くないのに、面倒な検査させられて認知症にされて、薬飲まされて、もうお母さん、医者には来ないから。薬要らないんだから来なければ済むでしょ」

「じゃあお母さんから先生にそう言って。先生が了承してくれたら、もう来ないから」と書く。 私だって連れてくるの面倒だわ!

「そんな事 失礼でよう言わない。ゆうこが言って」 ちょっとぉ~~~苦笑。

「私が言っても お母さんには聞こえないから、お母さんが自分で言って、先生の答えを私が書くから」と書く。

 S医院の先生はダンディで優しくて、いつも母を包み込むようにして話を聞いてくれるし、看護師さん達も経験豊かな年代の人達が多くて お年寄りに対して温かく親しみやすく接してくれてる。母も大好きだったの。

「先生も看護師さんも いつも優しくて、あそこへ行くと お母さん元気になる」と喜んでリハビリに行ってたのにね…。

 診察室に呼ばれて「先生、薬は飲まないといけませんか? もう全然 痛くないんですけど」と母。

「薬は痛み止めじゃないからね」と優しく先生が言ってくれる。

「私が薬を無理強いするのが気に入らないんだと思います」と そっと伝える。

 事情を察した先生は一層優しく母に語りかけてくれる。

「骨の薬と おしっこが近いのもあるし、物忘れもあるでしょう」

 私が書くのを待ってくれる先生。その上「書いてくれてありがとうね」とまで言ってくれる。

「もう私80歳なんです。いつ死んでもいいんです。だから薬なんて飲まなくてもいいんです」

「でもねぇ、そう簡単には死ねんよ。生きてる限りは元気でいないと。皆が心配するよ。娘さんが一番心配するんだよ。骨折でもして寝込んだら大変でしょう。老いては子に従え、娘さんの言う事 ちゃんと聞かないと」

 さすがに『老いては…娘さんの言うこと…』は書かなかったけど、私が涙ぐみそうだった。

 看護師さん達からも「また来てよ。待ってるからね」と抱きしめられて 母は泣きながら「はい、わかりました」

 その後、ファミレスへ。無言のまま食事。普段でも母がしゃべって私は書くので、傍から見たら『お母さんが一人でしゃべって娘はずっと無言』に見えてると思うけど、この日は母も無言。

『どれにする?』『飲み物は何にする?』『ご飯は残して持って帰ればいいよ』必要事項だけ書く。

 銀行へは生活費を下す他に 暗証番号を3回間違えて使用できなくなったので、その変更手続きもしたい。

 使用不能になったカードも持っていかなきゃいけない事を知らずに、この日は手続きできず。

 1時半にはケアマネIさんの月に一度の面談。

 Iさんの第一声「娘さんはお体の具合どうですか?」

 私 きっとすごく疲れた怖い顔してたんだと思う。

 で、前日からの母とのいざこざを話す。

「相手の話に合わせて否定しないようにするって事は分かってるけど、例えば医者で2万円払わされたと言うのに『それは高いねぇ』と言えばいいんですか?」 そんなのお医者さんに申し訳ないよ。

Iさんの答えは「説明しても忘れてしまうのだから そこは『ほんとぉ~』と流しておけばいいんですよ」

 やっぱりそうなのね。難しいよ…涙。

 母はデイサービスが楽しいと嬉々としてIさんに話す。ノートテイクしながら、私は笑えない。

 Iさんは 母からの、もう何度も聞かされた話を 初めて聞くように「まぁ~!」「すごいですね~!」「よかったですねぇ~」と 表情豊かに対応してくれている。

 うん、それが一番だって事もわかってるんだ。

 私は勝手な事を言う時の母にそれができない。だから母も よけいに頑なになっていくんだよね。

 母がデイサービスに喜んで行ってくれてるだけでいいじゃん。

 寝込んでるわけでもない、一人暮らしも頑張ってるんだもん。

 こうやって日記を書いてると 私は何がそんなに負担なんだろう…って思うんだけど。

 今週末、夫はマラソン大会に参加する為、一泊する。

 本当ならそんな夜は 母のところへ行って一緒に夕飯食べるんだけど、今の私は 母と一緒に過ごしたくない。きっと母も同じだと思う。

 7月には 私の住む市に 母の好きな松井誠の演劇が来る。

「チケット買っておいてくれない?」 それは私の送迎と同行も意味するんだよね。

 7月に実家まで2往復はしんどいよ。

 それに こういう精神状況の時に 母の為に無理をする気力もない。(薄情だね…)

 チケットはネットで買った。

 でも送迎と同行は弟に頼もうと思う。

 こんな風に薄情な本音をつづっていたら、デイサービスから帰った母から電話があった。(こういう報告電話を忘ずにできるんだもん。ちゃんとしてるじゃんね)

「今日もお母さん 楽しかったよ。ありがとうね」と明るい声。

 それで私の心も少し和む。

 でも…まだ「土曜日の夜 一緒にご飯食べよ」とは言いたくない。

「来週木曜日に行くからね」(声のトーンは低い)

「木曜日は公文じゃないの?」

「今は月曜日だけにしてもらってる」

「じゃあ、お願いね。待ってまぁす」

 やっぱり可愛い母なんだ。

 この先、認知障碍がどんどん進行して、私が誰だかも分からなくなってしまったら

「あの頃は『自慢の娘なんです』と皆に言ってくれてたなぁ。電話もかけてよこしたし、観劇したい気持ちもあったし、チケットの発売もちゃんと分かってたんだよね」って思うんだよね。

 今の状況に感謝して、今 母と過ごす時間を大切にしなきゃいけないね。

 私が心から笑顔で 母の言う理不尽な事も聞き流し、上手に対応できるようになれば、母も機嫌がよく、私も愛しさと満足感で気持ち良く過ごせるんだろうね。

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