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2011年6月22日 (水)

ちょっと学習したかな

 朝、母から怒り声の電話。

「今日 来る時、あのテレビを買った店の人 連れて来て! もうちっとも映らなくて 腹が立つ」

 ああ、またか…。途端に動悸がする。

 昨日から準備していたおかずと 山形から取り寄せた佐藤錦(母の大好物、以前は毎年「一年に一度の贅沢」と言って自分で買っていた)も 急に空しくなる。

 こういう気持ちで行くと私の顔もきつくて、お互いに悪循環。

 車を運転しながら最初の場面を想定して、穏やかに接する事を考えた。そしてS医院へ同行する役目を終えたら すぐに帰って来ようと決めた。

 実家でドアフォンを鳴らすも反応なし。・・・うん 怒ってるからね。

 自分の鍵で中に入るとテレビの大音量が玄関まで聞こえる。

 ああ、テレビ見ててドアフォン聞こえないんだ…もう一度 外に出て鳴らす。

 それでも出てこないのは、反抗の気持ちなのか まだ聞こえないのか…。

 聞こえないんだと想定して、驚かさないように大きな音を立てて廊下を歩き、テレビのある居間へ。

 母は寝そべってテレビの方を見ていた。

「お母さん」数回呼びかけたけど気付かない。

 絶対に驚くよなぁ…でも他に方法が無いから「お母さん」と呼びながら、そっと肩に触れる。

 案の定、飛び上がった。

 胸を押さえて呻いている。

 あぁ…最悪の対面だ…ダメな時って 全部ダメだなぁ。

「あぁ、びっくりした。水持って来て!」 はいはい。びっくりさせた私が悪いんです! 後ろを向いて『憎ったらしい!』とつぶやく。(友達から教わったストレス発散法)

 それが功を奏して、水を持って行った時は「ごめんね。びっくりさせたね」と大げさなくらいに謝る事ができた。

 ちょっと怒りの気をそがれた様子の母。

 でも「S医院へ行くよ」と言ったら、いつもの儀式よりもワンランク重い

「もう行かない!」が来た。

 なんとか なだめて連れ出した。

 今日は運よく、診察に早く呼ばれた。先にリハビリ室で電気をかけてる母に

『もう呼ばれたよ。今日は待ち時間が短くてよかったネ!』と書いて気分を盛り上げる。

 私の作戦勝ちで怒りモード【強】まではいかないけれど、不機嫌は直らない。

 こういう時は もっぱら違う話をふる。

 以前の私なら、ここでテレビの説明をした。 そして怒りモード【強】に上昇させてしまっていただろうな。

 今日は【弱】くらいで済んでたと思う。

 そして極めつけは診察室の先生。

 母と私の顔を見れば怒りモードの状態も推測できるみたい。

「あなたは いつもいい服着てるねぇ」 そういうのは すかさず書く!

 とたんに母の顔がほころぶ。

「私 もう80歳なんですけど、自分では80歳のつもりじゃないんです」

「そんなになるかね?そりゃ80歳には見えんよ。」

看護師さんも「若く見えるもんねぇ」と合わせてくれる。

 一言ももらさず書く!

 はい、母は上機嫌♪

「いい娘さん産んどいて良かったねえ」 これも今日は書いた。

「はい。ほんとに。なんだか一人がさみしくて、他に怒れる人が居ないから、今日は娘に怒ってしまったんだけど、悪い事したなぁと思ってるんです」

 診察室を出る時は母娘共々「ありがとうございました~!」って溢れる感謝の気持ちを込めて挨拶。

 先生が「お世話かけますね」と私に…。心の治療をしてもらった。

 機嫌の直った母と昼食を食べ、スーパーに買物に。母は上機嫌。

 帰宅すると 家は暑い…。台所の網戸だけは取り付けられてて「ああ、ちゃんと自分でつけたんだ…」と感心してた。

 でも他の部屋がまだだ。…私がするのはしんどいなぁ…。

 食料や薬・保険証を所定の位置にセットし、連絡帳やカレンダーなどをチェックし、飲み水用にお湯を沸かし…としてる間に 母は網戸を出しに行った様子。

 間もなく「ちょっと横になるわ」と戻ってきた。

 ああ、急に蒸し暑くなったから 体がしんどいんだ…。私のしんどいのと似てるかもしれない。

 頭を冷やす物を用意して寝かせる。

 そして…網戸との格闘にとりかかる。

 独身時代は手伝った事もあったはずなんだけど、結婚してからはやった記憶がない。

 古い家屋の網戸は大きくてすごくたくさんある。どれがどこのか? どうやってはめるのか?

 ええい! はまる所にはめてしまえ~!

 ガタガタと引っ張り出してると 母が起きて来て「ごめんね~ゆうこ~一番嫌な事させるねぇ」

「いいから寝てて」(ここで笑顔ができれば申し分無いんだけど………汗)

 網戸を取り付けてて気づいた。網戸の端っこに「東の6」とか「2階西」とかってマジックで書いてあるの。

 そっかぁ…母が間違えないように書いたんだねぇ…。ほんと きっちりしてるんだ。

 1階部分だけ終了した。2階は放置!

 網戸で涼しくなった和室に 母を移動させた。

 ケーブルテレビから来てる申込書の問い合わせ電話をする。一緒に住んでいれば 空いた時間に簡単にできるんだけど、一度にあれこれしようとするから 余計に面倒くさいんだよね。

 休んでる母も気になるし、返事は実家にかかってくるので少し待つ。でも私も銀行や美容院へ行く予定があるので

『ケーブルテレビから電話があったら私の所に連絡してって言ってね』と書いて見せて帰って来た。

 結局 美容院は予約してなかったから1時間待ったけど、夕飯の支度に間に合いそうになくて「また来ます」と帰って来た。

 帰宅したら母から留守電。

「ゆうこが帰ったの知らなくてごめんね。今日は親孝行してもらって お母さん ほんとに幸せ。ありがとうね」

 え?知らなかったんだ? でもちゃんとケーブルテレビからの留守電も入ってたから、任務は遂行したんだよ。

 ここ半月ばかり 母は穏やかだったので、アルツハイマーっぽいとんちんかんな出来事も 夫や友達に笑い話で話せるくらいだった。

 今日は久しぶりに いや~な気持ちになったけど、帰りは普通の気持ちだったし、留守電を聞いたら また愛しさが膨らんできたし。

 よしよし私。

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