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2011年8月20日 (土)

上がったり下がったりの実家泊

 実家に泊まるのは14年ぶりくらいかもしれない。

 いつも母が寝てるベッドにTの字に布団を敷いた。

 夜中にトイレに母が起きた。私が居る事には気付かない様子で廊下へ。戻って来た時に部屋に私が居たらびっくりすると思い、照明をつけて起き上がって待った。

 戻って来た母

「ゆうこ! どうしたの?!」

『ゆうべ泊まったじゃん』

「あ、そうだったねぇ」

『私が居てびっくりした?』

「うん、びっくりした~! 寝る時は ああ、今日はゆうこが居てくれるなぁって嬉しかったのに、お母さん 忘れちゃってた」

 可愛くて思わず笑ってしまった。

 その後、朝までに合計3回トイレに起きて、その度に同じやりとり。

 柱時計の♪ボーン ボーン♪で 浅い眠りから覚まされ、冴える頭でいろいろ考えた。

 この家を建て直してから結婚するまで、私が新しい家に住んだのは3年半。

 でも結婚後、具合が悪くなると よく避難してきてた。

 風邪をひいても家に居たのでは(夫にあてにされて)安静にできないから、実家で母に甘えて療養する。

 最初の数日はしんどいけど、10日ほどすれば何とか回復する。

 そのあとも4~5日は 上げ前据え膳の生活をさせてもらってた。

  仏間のとなりの和室に お客さん布団を敷いて、電気スタンドやお茶、時計を枕元にそろえてくれて、私は起きたい時に起きる。

 母は私が起きるまで朝食を待っててくれた。

 深夜は布団の中で読書したり、友達を呼んだり。

 至れり尽くせりにしてもらって 家に帰る時は ちょっぴり悲しかった。

「私が帰っちゃうと、お母さん また一人なんだな…」って 泣きそうになる顔を見えないようにして、無理に笑顔つくって手を振ったっけ。

 そんな事を思い出して「もっともっと母を大事にしたい」と思った。

 今朝は雨で涼しい。

 S医院へ連れて行ってから、ウインドーショッピングでもしようかな。美容院へ連れてってあげようかな。 と 朝は思ってた。

 昼間に数時間来て あれもこれもしなきゃいけないと思うから 気持ちのゆとりが無くなる。こうして泊まれば時間はたっぷりあって、私も優しくなれるんだなぁ。また泊まりに来よう。

 そんな風にも思ってたのに。

 いつから・・・どこから・・・おかしくなったんだろう。

 S医院を出て 買い物も別に無いと言い、私が準備してきたラーメンを作るべく、家に帰った。

 私は『ちょっぴりラーメン職人』で ゆであがりにこだわる。

 ちゃんと計算して、ちょうどよいタイミングで完成するように調理して もうすぐゆであがり、器に移すだけと言う時(家でも夫に『もうすぐできます』と声をかけて やりかけの作業などを中断してもらう。それくらい出来立てを食べてほしい)母の姿が無い!

 仕方なく麺をざるに上げて母を探す。スープが冷めちゃうじゃん…。

 庭・台所の東側・玄関…居ない。

 って事は 台所の裏側の狭いところか…。

 玄関側から回ったら通れない(昔は通れたのに) 台所に戻り、掃き出しの窓から降りて曲がると 三つ葉をとってた。

 難聴でなければ台所から声をかけて居場所もわかるのに、いちいち探さないといけない。

 多分、ここで私はイラっとしたんだろうね。

 そしてラーメンはのびちゃう。

(も~~~なにも こんな時に 三つ葉なんてとらなくてもいいでしょう! さっさと食べてよ!)って 心の叫びが顔に出てたんだろうな…。

「ゆうこ 何かあった? どうして そんなに急いでるの?」

『全然 急いでないよ』

 数回 そのやり取りをしてから、どんどん雲行きが怪しくなってきた。

 そして「もう来なくていいから。お母さんは一人で頑張っていけるから。今までだって迷惑かけてないでしょう」

 ここで堪えられず、無言(ノートテイクせず)

「迷惑かけたって事?!」

 うなづく。 あぁぁ…。

 ここから母の怒り発言と私のノートテイクで喧嘩。

 こういう時は、その場を一旦離れるといいと、介護の仕事してるMちゃんから教えてもらった。

『お参りしてくるね』と仏間へ。

 しばらくするとノートテイクの紙をビリビリを破く音が…。

 そして仏間に来た母が「お母さんもお参りするから、もうゆうこは帰って。お母さんひとりで、ちょっと冷静に考えるから」

 帰った方がいいんだろうなと思った。でもこういう気持ちで帰ると 私自身の精神衛生上よくない。

 台所に一人戻って、従姉妹M姉ちゃんに電話した。

 信州に住む父方の従姉妹は、子どもが無く、病気の伯父と認知症の伯母を献身的に看ている。

 今の状況を話す。

「ゆうこちゃん…一番 しんどい過渡期だねぇ(朝のドラマ『おひさま』でよく聞く優しい独特な言い回し)」

「おばちゃんは 私の憧れだったもの。ゆうこちゃんが受け入れられないのはわかるよ~」

 もう『あのお母さんは死んだ』と思おう。よそのおばあさんだと思って割り切ろう。

 まずは自分の体と家庭を優先して。

 色々アドバイスを貰いつつ、M姉ちゃんの体験も聞く。

「私はね、おばあちゃん(M姉ちゃんのお母さん)の事を 可愛らしくボケたなぁって思うから笑えちゃうの~。一旦笑うとね、それまでの怒りが消えちゃうだよ(独特の言い方^^)」

 そうなんだよね。私が笑わないから、母が頑なになるんだよね。

 M姉ちゃんに話しながら30秒くらい2度泣いた。

最後に「ゆうこちゃん、今からコーヒーでも淹れて『お母さん 長生きしてね』って言ってあげて」

 私、母と一緒に作って食べようと白玉団子の材料一式を 昨日 持って行ったんだ。

 茹でながら、母を呼びに行った。

『白玉団子作ってるから ちょっと見に来て。可愛いよ』

 すると母は先ほどとは別人のように「白玉団子~? ゆうこ作ったの~?」といそいそ台所へ。

 鍋を覗いて「ま~ほんと可愛いね~! これ ゆうこ作ったの?」

 黒蜜・きなこ・小豆を小皿に出して二人で食べた。

 なんか…長生きしてねって まだ言いたくない。

 でも二人で片づけて、夕飯のおかずを冷蔵庫に入れて

『じゃあ帰るね。食欲無くても頑張って肉類を食べてよ。元気で長生きしてもらわないといけないからね』 

 最初の2行はうなづいて読んでて、最後は両手を顔の前で合わせて頭を下げてた。

 M姉ちゃんに電話しなければ、私はさっきの喧嘩の母の誤解を解くべく、長い文章を書いて帰るところだった。

「ありがとうね。こんなにたくさん荷物持って…(私は自分用のタオルケットやパジャマ・ゴザも持って行った)今度来る時は 何も持たなくていいからね。うちにあるのを使えばいいから」

 …また泊まるんだ(笑

 もう来なくていいはずなのに…泣笑。

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