手術からの日々…詳細
今日は今までで一番 痛み(傷から坐骨神経痛へ)が少ないので、やっと手術前後の詳細を書く気になりました。
うんポン話もさり気なく入れますので、覚悟してお読みください。
【12(木)手術当日】
9時から準備が始まる。
手術着も改良されてるなぁ。
遺留針の点滴もすっと入った。立派な血管ありがとう。
そして尿管…うんポンよりは ましだと高をくくってたら、とんでも無い事が!
ベテラン看護師さんが入れて(けっこう気持ち悪い)「あら?」とお腹を押す。
普通は膀胱に届いた瞬間に管をおしっこが流れるのに、何も流れて来ないらしい。
「別の所に入ってる感じしますか?」
!!! 「わかりませーん」
走って出て行き戻って来た看護師さんの手には 新しい尿管セットが!
再度、気持ち悪いのを経て「あ、出た出た。よかった~ふくらませなくて」と看護師さん。
真っすぐな尿管がなぜ抜けないか 皆様 ご存知?
あれは管を入れてから注射器で、中のバルーンを膨らませて留めるんです。
2本も尿管を入れられたショックの直後の うんポン。
友達から色々アドバイスを受けてて(うんポンの経験があるわけじゃないのに)とにかく力を抜く。
で、なんか入った。…と思ったら ちゅるっと出た!
「あ、出ちゃった?」私がちょっと力んで、せっかく入ったのを押しだしてしまったかと思って。
「アプリけーターを出しただけですよ」 お尻の周りに何やらシートかテープのような物を張り付け、これで終了。 ふぅ…。
尿管お代わりで、うんポンどころじゃなかったわ。
手術室にベッドで移動。
入室すると、麻酔医師から「今日は硬膜外麻酔しませんから」
「ええ~~~!しないんですか~!」
「した方がよかった?」 …うん、あれは打つ時は怖い。でも術後の痛みは雲泥の差なんだよねぇ。
「はい…術後が楽なので」
「花桃さんの場合は、SLEがあるから、血栓ができやすいので そのリスクを避ける為にやめました」
そう言われたら仕方ない。
看護師さんやドクター達に「お願いします」とご挨拶もできた。
ベッドから小さな手術用ベッドに移動。自分でずりずりって。
手術着を脱がされて紙を上にかけられる。どうせすぐ剥かれるんだけど。
足元に執刀医のT先生の姿も見えた。
「お願いします。かっちょいい関節にしてください」
「はい。あまり長くなり過ぎないようにするからね」(右がすでに短いので、左があまり長くなると左右の差が大きくなりすぎる)
口にマスクが当てられて「酸素ですから、ゆっくり大きく吸ってください」
ああ、きっと麻酔だな。(と、いつも思う)
早く眠ってしまいたいから、大きく吸う。
ピーピーピーと連続していた音が 一段低くぴー・ぴー・ぴーとなる。
心電図の音かなぁ。
もう一回吸ったら、また低くなってぴー・・・ぴー・・・ぴー・・・。
そして次の瞬間!
「花桃さん!起きて!終わりましたよ!目を開けて!」
顔の周りで大勢が大声を出してる。
目を開けようとするんだけど、眠くて眠くて開けられない。
「花桃さん!目開けてよ!」叱られ気味に言われつつ、一瞬 喉がうげっとなったような曖昧な記憶。
これは後にR子先生の解説があった。
気管への挿管を抜く時は、本人の意識が無いと危ないんだって。眠ってる時にやっちゃいけないんだって。
だから必死で私を起こそうとしてくれたのね。で、無事に抜けたわけだ。
次に気付いたのは集中治療室の中。
予想通り 全身が痛い。 特に左股関節は痛い。右足をちょっと動かしただけでも響いて痛い。でも半分眠ってるので、時間がどんどん過ぎる。
夫が来る。
「ありがとうね」と言いたいのに、眠くて声が出せない。
しばらくして母と弟が来る。
…え~来てくれたんだ~などと思うも、これまた声が出せない。
術後の状況は 見慣れない人にはかなり衝撃的らしい。
母は私のおでこをなでながら「こんなに悪かったんだねぇ・・・」と涙ぐむ。
ん~どこが悪いと思ってるんだろう。
そんな事も思える状態。
弟が母の耳元に顔をつけて「麻酔がまだ効いてるから。心配ないから」と説明している。
みんなが帰る。
看護師さんが側に居てくれて、定期的に「体位を変えましょう」と。
両足にパッドをはさんで「丸太になってくださいね」と 二人がかりで、ころんとされる。
以前は90度横向いて、下になってる足がしびれて辛かった記憶があるけど、今回は斜めで、背中にも腰にもマットを当ててくれてた。
でも ころんとする時は痛いよ。
時々 目覚めて時計を見る。
予想通り、急に吐き気がくる。すぐに伝えると、看護師さんが受け皿を持って来てくれる。
顔だけ横向いて吐く。
今回は4回吐いた。白い泡しか出なかったけど。
【13(金)術後1日目】
夜が明ける。
私の本当の戦いはこれからだ…。
朝食が運ばれて、一口でも食べようとしたけれど、味噌汁を3匙すくっただけ。
体を拭いてくれて、11時頃、病棟からのお迎えの看護師さんと共に4人部屋に戻る。
集中治療室のベッドから病棟用ベッドに移るのも、昔は看護師さんがベッドをまたいで下に敷いたタオルごと「よいしょっ」と移動させてくれたけど、今はゴムのような柔らかいマットを斜めに渡して、ずりずりと自分で移動する。すごい進化だ。
昼食と夕食は、夫が来てくれた。頑張ったけど、やっぱりほんのちょっとしか食べられなかった。
4人部屋での術後、最初の夜が一番辛かった。
麻酔も切れてくるし「仰向け、脚は固定」の状態がしんどい。
数年前は これを何週間かやってたんだよねぇ。もう無理だ!
術前から気にはなってた隣の人の 大鼾からの寝言からの歯ぎしりからの~スタートに戻って大鼾…のエンドレスを聞きながら、胸が苦しくなってくる。
肺塞栓かも…と思って あぁ…ナースコールしちゃったわよ。
「点滴終わりました」の時しか押さない私なのに。
体温も血圧も異常なし…とほほ。
長い長い夜…微動だにできずに朝を待つ。
【14(土)術後2日目】
夫が朝・昼・夜と食事の度に来てくれる。
(ここでずっと側に居て欲しい!と思わないのが私^^)
だって側に居てくれても痛いものは痛いんだもん。
痛み止めの錠剤を飲む為には、口からご飯を食べないといけないから頑張って食べた。
夜には8割食べられるようになった。
夕方「尿管抜きますよ」と初めて対面する男性看護師さん。
う~顔なじみのOさん(男性看護師さん)よりはいいけどさぁ…。
「え~あなたが やってくれるの?」
「恥ずかしくないようにやりますから」
と言われたって…あぁ、53歳はもう「女性」としての特別待遇は受けられないのね。
着替えや微妙な処置の時「女性看護師さんを呼びますか?」と言ってくれる男性看護師さんも居るんだけどなぁ。
足の痛みで、恥ずかしいと思う余裕も無いままに抜かれた(笑
その後、この男性看護師さんとは なんか仲良し♪
関西のおっちゃんのノリで笑わせてくれる。
さて…尿管が抜かれたと言う事は、次のトイレは車椅子で行くって事。
看護師さんが持って来てくれた車椅子におそるおそる乗る。
そりゃもう怖いし痛い。
脱臼しないように、左足に体重を乗せないように。
骨切り回転術をしてから16年間ずっと大事に大事にしてきた右足の久しぶりの踏ん張りよ。
でも右足を踏ん張っても、左足が付いて来てくれない。
なんとか乗って、部屋の真前の車椅子トイレに看護師さんと一緒に入る。
寝巻を持ちあげてくれて、便器に座るのでまた一苦労。
終わって車椅子に座るのも、ベッドに戻るのも いちいち大変。
でもね、看護師さんが付いていようがいまいが 痛いのも怖いのも同じ。
「またトイレの時 呼んでくださいね」と言われたけれど、自分で用心して行く方が『看護師さんを待たせちゃ悪い』って気を遣わなくて済む。
次は自分だけで そろ~りそろ~りと決行。
そろそろトイレに行きたいな…よし行くぞ!と決意してから、動き出し、用を足し、ベッドに戻るまで20分かかった。
これがね、毎回 時間短縮していくわけ。
痛みも少しずつ薄らぐし、動きにも慣れるし、コツも掴むしね。
【15(日)術後3日目】
時間はかかるけど、自力で車椅子に乗ってトイレに行くのは完全クリア。
もう看護師さんも「できるもの」と認識してて「言ってくださいね」とも言ってくれない。
朝、昼と来てくれた夫も この夜は中学の仲間との飲み会。
初めての「ひとりで食べるもん」
今まで夫がやってくれてた歯磨きの後始末(ベッド上で歯磨きして、うがい水はガーグルカップに吐きだす)は、してもらえないから、自分で洗面所で歯磨きするしかない。
頑張ってみたらできた。
この頃、トイレに向かう私を見た 隣の部屋のおばさまが
「あら?」と。
挨拶したら「やっぱりあなたかね。見違えちゃったわ」
…見違えちゃったって(汗
「前は颯爽と車椅子に乗ってみえたから」
「今はよれよれでしょう~」
「手術されたの?」
「はい~。また颯爽と乗れるように頑張ります」
ほんと…体を斜めにして痛みを逃がし、きこきことおばさん漕ぎなんだもん…。
ここからは、薄紙を剥ぐように、傷の痛みは薄らぎ、トイレに行くのも早くなった。
最初の二晩は「夜中にはトイレには行けない!(音をさせずに車椅子に乗り移れないから)」と固い覚悟で、実際に9時から6時まで尿意を感じないで済んだ。
でも三日目の夜には とうとう行った。
そして隣のベッドのIさんからは「全然気付かなかった」と言われたから、最初の頃よりは静かに移動できるようになってるんでしょう。
消灯前は、いつもいやな気分になる。
また今夜も仰向けでカチカチになって眠るんだなぁ…って。
2010年の緊急入院の時「足を自由に動かせる入院なんて久しぶり♪楽ちん楽ちん」と思ってたなぁ。ほんとにそうだわ。
パッドを両足に挟めば横向いても良いんだけど、自分でころんとする自信が無いの。
こんな所で脱臼したくないし。
坐骨神経痛の痛みさえ無ければ、もっと動けるんだけどな。
…と思ってたら、今日はあまり痛みが強く無く「あ~普通の術後はこんな感じだったよねぇ。車椅子に乗るのも どんどん上手くなってて、昨日はできなかった事ができるようになって…この感覚 久しぶり」って感じ。
このまま神経痛が治まってくれたら、リハビリも もっと頑張れるよ。
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