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2012年5月11日 (金)

最後の夜に

 ここで過ごす夜も最後か…と ちょっとだけ思う。いつもの感傷程ではない。

 今日は分刻みで 二人の友達が来てくれたので、一日があっと言う間だった。

 予定通り一ヶ月の入院だった。

 振りかえると、私やっぱりよく頑張った。

 集中治療室から部屋に戻った最初の夜は、外転枕を挟んで上を向いたまま固まって眠る。(毎度の事だけど)

 隣からは鼾と歯ぎしりと叫び声のような寝言のエンドレス。

 動けない、眠れない、逃げようがない。

 眠ってしまえば 朝が来るのも早いのに。

 左足は棒のように動かない。右足をちょっと動かせば 左足に激痛が走る。

 胸が苦しくなって「肺血栓かも!」と ナースコールをしてしまった…不覚。

 一番辛い夜だったな。

 二日目には、食事も少しずつ摂れるようになって「体が回復」してるのを実感。

 それだけで嬉しかったけど、今 思うと、あの時でも十分に辛い状況だった。

 でも術後のしんどさは想定してた事だから、看護師さんにも客観的に「ここが こう痛い」と報告はするけど「痛いよ~」「辛いよ~」と 言う程の事じゃないって思ってた。

 半荷重になり車椅子が許可されても 左足を動かすのが難しい。

 ベッドから車椅子に乗る為に、左足を移動させるのに一苦労。

 右をやった時は、左足に右足をのっけて移動させたっけ。 

 でも右も人工関節の私は、右足を内側に入れられない。(これは今回、そこそこ入れても大丈夫だって事を初めて知った)

 何とかトイレまで行っても、車椅子から便座に移るのがまた大変。

 手摺や車椅子に掴まって、ちょっとずつ体の向きを変えて、やっと便座に座った時は 思わず「はぅ…」と声が出てしまう。

 トイレの外でその声を聞いたら『立派なう○ちさんが出たんだな…』と思うに違いない。

 まだ何もしてないです。

 それでも日に日に、トイレに行くのも上手になってくる。

 昨日出来なかった事ができるようになる。

 実感しやすいから外科はいいね。

 でも坐骨神経痛の出現で、車椅子に座ってても痛い。

 看護師さん達の朝礼(朝の申し送り)が終わるのも待てないで ロキソニンを貰いに行ったのもこの頃。

 痛みと珍獣ちゃんの鼾で眠れぬ夜は続き、眠剤も貰う。

 それが今では、昼間の珍獣ちゃんの咆哮には うんざりさせられるけど、夜の暴れん坊には慣れた^^

 鼾の数を数えながら眠ってしまうようになった。

 毎晩3回の看護師さんの巡回…これも毎度の事ながら、寝たふりをしてやり過ごしてたのが、近頃は本当に知らない。

 薄明かりの中で時計を見て「そろそろ来るな…口開いて寝てるとかっちょわるいぞ」と気を引き締めるんだけど、そこからまた寝入ってしまって、肝心な時には無防備。

 それでも最近までは、消灯が近づくと「ああ、今夜も固まって寝なくちゃいけないんだな…」と気が滅入った。

 今も外転枕を挟み、仰向けで寝るのは変わりない。

 でも左足がかなり動かせるようになったから 最初の事を思えば とっても楽。

 私は一番ひどい時と比べて「今は楽」って思おうとするんだね。

 椅子にただ座ってると、手術した事さえ忘れるほど、以前の状態に近くなった。

 シャワー室で 以前は「絶対に左足はつかない」覚悟だったのが、自然につけるようになってる。

 ここまで来るのに どれだけ頑張ったか。

 手術前「手術はドクターに頑張ってもらって、その後は、私が頑張る。数日乗り超えれば、後は入院パラダイス♪」と思ってた。

 でも予想に反して3日後あたりで「いつまで痛いんだろう? 前やった時 こんなにいつまでも痛かったかな? 今度は右の入れ替えがあるけど、もう嫌だ。やりたくない」って思った。

 人間は忘れるから生きていられるんだよね。

 ここまで来ると「右も仕方ない。その時が来たら頑張るわ」と思えてる。



 今日は最後のリハビリ。

 ステッキでリハビリ室まで行ってみた。

 K先生は「すごいじゃん。今日は良さそうだね」と。

 ふふふ…計測ですからね。

 開くのも曲げるのも合格点。

「ここまで曲げられるとは思わんかった」って。

 ステッキ歩行も「これだけ綺麗に歩ければT先生も褒めてくれるわ」と。

 自分では、まだ外を歩くのは不安なんだけどね。

 それでも明日は退院です。

 応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。


 さて、心残りは1号さん。

 2号さんの退院も近く、私は明日 居なくなる。

 1号さん一人を珍獣ちゃんの餌食に残す事になる。

 朝、看護師さんに「1号さんが一人になったらフォローしてあげて。一番我慢してるのは1号さんだから」と頼んだら、事情を察してくれてて「任せておいて、頻繁に覗くから」と。

 その直後、1号さん本人に「1号さんが部屋を変わる?」と提案してくれた。

 運よく別の部屋の同じ場所が空いてて、師長さんの許可も得られ、すぐに引っ越しと相成った。

 「よかった~」と笑顔の1号さん。

 私もちょっと安心。

 

 数人の看護師さんから「花桃さん、明日 退院ですね。私、明日は休みなんです」「寂しくなります」と声をかけてもらい握手・握手。

 よくしていただきました。

 そして…エレベーターに乗り合わせた若い女性から「いつも可愛らしいパジャマ着てらっしゃいますね」と声をかけられた。

 デイルームなどで数回会う面会や付き添いの人とは顔なじみになるけど、記憶に無い人。

「これ、20年前のなんですよ…ちょっと無理してますか?」

「いいえ、お似合いですよ~!」

 こんな事がすっごく嬉しい。

 やっぱりいい入院だったな。

 さて、今夜と明日、転ばないようにしなきゃね。

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