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2013年3月 6日 (水)

ちょっとため息

 ここんとこ穏やかな実家詣で。

 今日は久しぶりに ちょっぴり疲れた。

 1月末から、私は母の通帳や生活費を管理している。

 普段、母がそれらを入れていた引き出しから、一切を出して

『通帳・現金は ゆうこが持ってます』と大きなメモを入れてある。

 実行した時は 母は納得していた。

「もうお母さん 通帳の事もわからなくなってきたから、ゆうこに任せるわね。頼むね。ありがとう」と言ってくれた。

 週に一度行く度に、母の財布の残金を確認して、不足分を補充する。

 まとめておろして秘密の場所に入れてある現金から、その引き出しの「生活費」と書いた袋に入れる。

 ところが今日、その「生活費」の袋が見当たらない。

 聞いても無駄だとは思いつつ、ノートテイクで母に聞いてみた。

 案の定「知らない」

 知らないはずないのよね…そこは母と私しか触らないんだもの。

 私があちこち探していると、母は引き出しの中の『現金・通帳は ゆうこが…』のメモを見つけ「どうしてゆうこが 持ってるの!」と怒り出した。

 1月末の取り決めの事をノートテイクしても もう母の頭には入って行かない。

「これくらいのお金の管理は お母さん、できるんだから。そこまでボケて無いからね!」

 いやいや…色々 危険があったから、私が管理する事になったんだよ。

 こうなると堂々巡りと、ちんぷんかんぷんな対話になるので、もうノートテイクもしない。

「ゆうこが持って行ってるから、お母さん 安心してたのに、どうして袋が無くなってるの?!」

 こっちのセリフです。

 そして『燃えるゴミ』の中から 破かれた袋を発見。

 ここで もうひと踏ん張りの我慢ができないのが、私もまだ修行中よね。

 破れた袋を並べて『これを探してたの』と アピールしちゃった。

 母は珍しく 自分が破って捨てた事を思い出したのか、ちょっとひるんだ。

 次の瞬間

「ゆうこが お金の管理をし始めてから、お母さんは 余計にわからなくなったの。

 ゆうこが お母さんをボケさせてるんだよ!」と来た。

 へいへい…。痛いとこ突いちゃったから怒るよね…。

 こういう時は、一旦、視界から消える。

 トイレへ行って来た。

 炊きあがったご飯を 一食分毎に分けて冷凍する作業にとりかかる。

 台所の廊下で母が「もう、さっさと帰れ!」と怒鳴ってるのが聴こえた。

 扉の向こうだから、聴こえないと思ってるのかなぁ。

 2年前なら泣けた。

 今は苦笑で済ませる。

 冷凍ご飯の包みを作り終えて

『今から 飴と果物買いにスーパーに行こうか?』 母は この数年、飴玉をたえず舐めてる。

 私が持って来た可愛いキャンディボックスの中の残りが3個になってたので誘ってみた。

「今日はまだいい…」

 ん~~まだ怒ってるのを忘れてないか…。 まあ飴くらいなら、夕方 散歩がてら買いに行けばいいかぁ…。

 次に、持って来たえびの姿焼風のお菓子を開けて見せた。

「へぇ~」ちょっと興味を持ったよう^^

 一枚食べて「いくらでも食べられそうだね。これ おかず?」

『おやつだよ。でもお菓子より栄養はあると思う。カロリーは少ないよ』

「ほんとぉ~」と 私の口にも半分 入れてくれる。

『飴と果物、買いに行こうか』 再度挑戦。

「そうだね」

 ふふふ^^

 スーパーへ着くと、果物や野菜を手にとる。

 これだけでも 母には良い刺激になってると思えるんだ。

 3個入りの干し柿を手にした時は「ほぉ、いいチョイス」と思ったから笑った。

 母も嬉しそうに籠の中へ。

「野菜も見てくる」と言った時は 心の中で「野菜を買ってどうする?」とつぶやいた。

 案の定、何を買っていいか解らないから、買わなかった。

 ミニトマトは、そのまま洗って食べられるので、母には重宝。

「夕飯のおかずも買って行くわ。作るの面倒臭いから」

 …もう何年も作って無いでしょう。それにおかずは私が作って来たの見たじゃん。

『おかずは作ってあるよ』

「あ、ほんと~?」

 さっき 私が器に移してるの見てたでしょ~。まったくも~。

 レジでは、いつも私は母に支払いをさせる。

 後ろが混んでない限りは、手出しをしない。

 お店のポイントカードだけは 先に財布から出して持たせておいた。

 合計は2728円。

 お客に向けた金額表示板を指し示しても、母は認識できない事が多い。(時々できる)

 次に耳に口をつけて「2728円」と叫ぶ。

 母の財布には、さっき私が入れた一万円札しかない。

 …すると 母は一万円札と30円を出した。

 すかさず「かしこいね!」と耳元で叫ぶ。 これは本当に嬉しい驚きだった。

 帰宅してから、あらためて『2728円の買い物で、1万30円出すなんて、すごいね。咄嗟にそういう計算ができるなんてすごい』と書いたら「仕事してたからだわ」と満更でもない顔。

 その勢いで家計簿も書き始めた。

 後でチェックしたら、3月4日(月)のところに書かれてたけど苦笑)

 おまけに3月3日(日)のところには

「ゆうこ お誕生日おめでとう!」と書いた横に「5万円」と。

 そう…数年前までは、誕生日には大きなお小遣いをくれてました。

 家計簿に書かれちゃったけど貰ってないですからぁ~!

 ちなみに、先ほどの「引き出し」の中には 私・夫・弟・甥っ子の名前を書いたお年玉袋が2セット入ってるの。もちろん中身も。

 1月に指摘したら「あ、渡すの忘れてたのかしら。来年 渡すわね」だった。

 その後、私が生活費の補充をする為に引き出しを開けると、母は毎回 お年玉袋を見つけて

「今年って、お年玉あげたよね?」

『貰ってないよ』

「え~あげてなかった~? じゃあ来年は忘れずにあげるわね」

『うん』

 このフレーズを毎回、複数回 繰り返すのでありました。

 来週 行ったら、中身だけ生活費に移して、お年玉袋は回収してくるわ。


 認知症になりやすい人・なりにくい人って テレビや新聞雑誌でよく特集される。

 予防の為に 運動・趣味・人づきあいなどを豊富にしておきましょう…と まとめられる事が多い。

 母は網羅してたのよね。

 60歳過ぎても3B体操に通い、パッチワークや刺繍、シルクフラワー、色々習いごともしてた。

 習いごと先では、いつもお友達ができたし、近所の若い人からも慕われて、相談ごともされてた。

 それでも発症しちゃうんだよ。もしかしたら、私の事を心配し過ぎたからかも…。

 帰り途、車内はぽかぽか…コート着てたから暑いくらい。

 日差しも春。

 道すがら梅の咲いてるのも見えた。

 でも半月前の穏やかな幸せ気分とはちょっと違う。

 日差しがまぶしくて、ちょっとため息なのでした。

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