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2013年10月 2日 (水)

苦笑・失笑・一人ツッコミ

 今日は実家詣ででした。

 私が玄関を開けると(すでにドアフォンは鳴らしてある) 母は胸を押さえて(息が上がってるような、びっくりしたような感じ)台所から出てくる。

 そして

「ゆうこ~ 暑いのにごめんね~」

 ここで「だいぶ涼しくなったよ」と会話できないもどかしさ。

 下駄箱の上の鉢植えのりんどうが 蕾のまま枯れ始めている。

 茶色になった蕾を指差し、根元の方に指を突っ込んで『水をやって』と大げさな手ぶりをする。…通じた!

 私が荷物を台所に運んでるうちに、洗面所で水をやったみたい。

 そのまま鉢を持って台所へ来る。

「これって ゆうこが くれたんだよね~?」 お!覚えてたじゃん♪

 大きく頷いて見せる。

 すると…鉢を居間の座卓に載せて 戻って来る。

 玄関だってば~~~~! と 心で叫ぶ。

 ほんとにも~ここちゃんなら、間違えないわ。…笑えちゃう。

 短期記憶が衰えてるから仕方ないのよね。

「玄関だよ」と言っても聴こえないから、自分で持って玄関に向かう。

 いぶかしげに見送る母に 玄関を指差し『持って行って』の手振り。

 持って行く母。

 2歳児くらいだなぁ…。またも笑えちゃう。

 

 持って行ったおかずで昼食の準備。

 これも母はテーブルに座って じっと待ってる。

 …昔は、二人でやったのになぁ。

 そうかと思うと、やにわに 私用の箸を出してくる。 (あら、解ってるじゃん) 

 牛肉と牛蒡を炊いたのを一口食べて

「これ、美味しいねぇ~!」 私の作ったおかずには、いつもそう言ってくれる。

 食べ終えて冷蔵庫を点検すると、予想通り、先週 一緒に買って来た巨峰が まだ ほとんど残ってた。

 今の母は 冷蔵庫を開けて探す・皮をむく、のが難しくなってる。

 でも巨峰の房から落ちた粒だけを別の皿に取り分けてあるとこは、まだしっかりしてるなぁ。

 このままにしておいたら、絶対に全部腐らせるから…と思い、全部 むく事にした。

「お母さん、これ あまり好きじゃないの。酸っぱいから」

 いや、そんなに酸っぱくは無いんだけど。

 剥いた分をガラスの小皿に入れて『食べて』の身ぶり。

「酸っぱいねぇ~」と顔をしかめた割に、次々に手を出す。

 そう…私は栗も巨峰もかんきつ類も 皮をむく作業が好き。

 そして…それは母譲り。

 昔から 母は 夏ミカンや八朔など、食べやすいように薄皮をむいて それぞれの小皿にぽいぽい入れてくれてた。

 「自分でむくから、お母さんも食べやぁ(注:名古屋弁で『食べなさいよ~』)」と言うと「お母さん、剥くのが好きなんだわ」って。

 気づけば、私も『剥くのが好き』になってた。(遺伝子の仕業か!?)

 結婚後、義父母と食事をした時、デザートに巨峰を用意し、いつものように一粒ずつ剥いてた出したら 二人がすごく感激してくれたっけ。

 今でも 義母と食事してデザートにそのテの物が出ると、無意識に私が取って剥いてしまう。

 ちなみに夫は、葡萄類はもちろん、グレープフルーツなども 全部 剥いて 口に放り込むだけの状態じゃないと食べない。

 みかんは、自分で外の皮をむき、丸ごと(大きい時は半分に割って) 口に入れてしまう。

 私は筋も全部 取りたい。 薄皮の厚いものは、みかんでもむきたい。

 そんな事を想いながら、一人で剥く。

 テーブルに向かい合って座っていても 会話は無い。

 時折、母が思い出したように「デイサービスでねぇ…」と さっきも聞いた話をする。

 初めて聞いたように うんうんと頷く。

(あと2回は同じ話するだろな…)と心でツッコミ入れながら。

 昔は「それでね~」「こうでさ~」「こんな事があったんだ~」って 私が一週間分のおしゃべりをしたんだけどな…。

 それを思うと寂しいけれど、黙ったまま 母の小皿にむいた巨峰をぽんぽん入れていく時間は穏やかだった。

いつの日か「会話も成り立たないお母さんと向かい合って巨峰むいたなぁ…あの頃は、色々不便だったけれど、それでもお母さんは元気だったし、笑ってたなぁ…」って 大切な思い出になるんだろうな。

 

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