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2015年1月29日 (木)

母の幸せ

 昨日も母は元気が無かった。

 入所前、懇意にしてくださってた喫茶店のママから 月曜日 私に電話があり、母のグループホームの場所を知らせたものの「母は わからないかもしれません…」と伝えておいた。

 昨日、母を訪ねると 職員さんが「○○のママさんって方が つい先ほどみえてました。入れ違いでしたね」と、その時の母の様子なども交えて知らせてくれた。

 やはり母は 最初は相手が認識できず、困惑が怒りになってしまったようだ…。

 綺麗な色の薔薇の花束も「これ その方が くださいましたよ」と 詳細を報告して生けてくれるのが 本当にありがたい。

 でも部屋のノートテイク用紙を見ると、ママさんと母の会話が残されてた!

 母は自分が話す事は 相手には聴こえるから書く必要ないし、私には そんな事しないのに、ママさんとは全部 筆談をしたみたい(笑)

 ちゃんと大好きな喫茶店のママだと認識し

「母桃さんが大好きだから」 「私も ママが大好きです」

「またドライブに行きましょう」 「ここを出たら、また連れて行ってくださいね」

 と会話も成り立ってた!

 で『○○のママさんが来てくれたんだね』と書いて見せると「そうなの?お母さん 全然 覚えてない」 苦笑。

 『この薔薇も ママさんがくれたんだって』 「ほんと~ ゆうこが持って来たんだと思ってた」

 思ってた…って、薔薇が飾ってあった事 気づいてないでしょ~~~苦笑。

 なんだか表情の無い母を喫茶店に連れ出す。

職員さんが「ここ数日、母桃さん お元気が無いので、気分転換していただけると助かります」と。

 助手席に乗っても「お父さんが この辺で 羨ましがってるわ~」が出ない。

私の助手席に乗ると 変な所へ連れて行かれる記憶が残ってるのかなぁ。

 喫茶店の駐車場に着くと ちょっと表情が柔らかくなり、いつものカウンターテーブルの端っこ(並んでノートテイクするのに最適)に座るとテーブルの造花を「綺麗だねぇ~」と。

 でもケーキを食べて、週刊誌を見せても、すぐに閉じてあらぬ方を見ている。

 母は「刹那」しか無いんだろうね。 ついさっきの記憶が無いから、いつもいつも「この瞬間」だけ。

 だからどこで何をしていても不安感がつきまとうんだろうな。

 『スーパーで買い物するから 付き合ってくれる?』

 ちょっとでも日常に触れさせようと、連れて行けば足手まといだけど誘ってみると

「いいよ~~」 これは頼まれたのが嬉しいっていう反応。

 母にカートを押させ(両手を自由にしておくと、焼き立てパンを手づかみする)私は目指す食材に一直線で、超特急の買い物。

 よちよち歩きの2歳児を連れて行くのと同じ感じかなぁ。

でも 少しずつ母のエンジンがかかる。

「ついでに ゆうこの家の買い物もしたら? お母さん 払ってあげるから」

 はいはい。 さっき『私の買い物に付き合って』と書いたのは もう忘れてるもんね。

 レジを済ませ、母の顔の前で両手を合わせて「ありがとう!」のポーズ。

 ホームへ戻り、着替えさせると、幾分 表情が明るくなってるのに気づいた。

『お母さん、顔色がすごく良くなったね』と書いたら 「そうお?」と言って うふふと笑った。

ほっぺを触って『うん 美人になった』と書いたら 「美人にはならないでしょう」と言いつつも、声をあげて笑った。

 あぁ…この日 初めての母の笑顔だ。

 喫茶店のママにお礼の電話をしたら

「母桃さん 以前は よく冗談を言って いつも笑ってたのに、涙ぐんでて…あんな母桃さん 初めて見たから びっくりしました」と。

 ママさんは、グループホームに入所させた事に対して 少々 批判的。

 月曜日に電話をくださった時は「私も90歳の母を自宅で見てるけれど」「母桃さんは あんなにお元気なのに」と何度もおっしゃった。

 母と8ヶ月ぶりくらいに会ってみて「お家の事情もおありでしょうけれど、母桃さんが可哀想で…また ドライブにお誘いしてもいいですか?」と。

 喫茶店のお客さん数人とドライブしたり、豪華なお食事に行ったり、よく面倒をみてくださってたママさん。

 今の母は、私が一対一で 手を繋いでいないと危ない。以前の母より運動能力も落ちてる。

 数名のお出掛けで転倒でもしたら迷惑をおかけしてしまう。

その旨をお伝えした。

「じゃあ 時々 お顔を見に行かせてもらいますね」

 そこまで母を想ってくださる事に感謝でいっぱい。

 ご近所の親しくお付き合いしてた方達でさえ、コミュニケーションがとれなくなると 自然に離れていったのに。

 母は ママさんが来てくれると嬉しいかな…。

 刹那に生きる母には、確かめようがない。

でも母を想ってくれる人の気持ちは きっと通じてるよね。

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