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2017年2月14日 (火)

母への想い・・・姥捨て山

 先日、年下の友達(結婚して独立している)から『実家でずっと飼っていた犬が天に召された』と 知らされた。
 
 彼女のお父さんは 数年前に亡くなっていて、お母さんがお婆ちゃんと二人で暮らしていたのが、去年、お婆ちゃんが亡くなり、わんちゃんも居なくなってしまった事で『お母さんが本当に一人になってしまったので心配です』と メールはつづられていた。
 
 その一文を見た瞬間、私は涙がこみあげてしまった。
 
 お母さんが本当に一人になってしまった・・・
 大きなお家に一人で暮らすお母さんを想像して切ないだろうな。
 
 そのお母さんは、私よりちょっと年上なだけで、テニスを趣味にし、お友達とランチをしに遠出ドライブもするし、明るくお元気で溌剌とした方。
 
 それでも・・・娘は心配なんです。
 
『できるだけ連れ出したいと思います』とメールは続いていた。
うん、優しい娘家族が近くにいるから大丈夫よね!
 
 朗読教室(ちょっとお休みしてますが)の新しい教材「おばすて山」をお姉さまが届けてくださった。
 
 よく知られている『年寄りを山に捨てに行く話』で、殿様の言いつけに従って 年老いた母親を一度は山に置いてきたものの、すぐに連れ帰り家の床下に匿う。
 
 その直後、殿様からの難題を何度も母親の知恵で解決し「実はこれは自分の知恵でなく、母親が考えた事でした」と白状したところ、殿様も『年寄りを大切にしよう』と心を入れ替えて めでたしめでたし。・・・という流れ。
 
 この朗読劇の脚本を読んだ時も 大体のストーリーを知っているにも関わらず、若者が母を置いて帰って来た夜『姥捨山にかかる月を見て・・・あの月を母も見ているに違いない』のところで、ぐっとつまってしまった。
 
 そして山を駆け上ると『洞穴の前に座って月を見ている母がいた・・・』 もうここで嗚咽。
 
 昔 「楢山節考」という映画を観た。 
同じく姥捨て伝説がもとになっていて、こちらは朗読劇とはずいぶん違う展開だったはずだけれど、細かい事はあまり覚えてなくて、ただ、雪の中に年老いた母親(当時は本当はまだ若かった女優さんが演じてた)が ちんまりと座って両手を合わせて拝んでる姿だけが記憶に残ってる。
 
 それを思い出して また胸をつまらせる。
 
 6年くらい前だろうか・・・母がまだらに認知障碍を発症してた頃、毎週、実家へ行って、母の食事の世話や家の片づけをしていた。
 
 そして老いを受け入れられない母はいつも怒っていた。
 
「ゆうこに監視されてるみたい!」
「ありがた迷惑!」
 
 母を傷つけないように気を遣いながら、自分の家の掃除もいい加減なくせに、実家の掃除をし、郵便物のチェックをし、内科へ、歯医者へ連れて行き・・・そして ののしられる。
 
 以前の母なら ちゃんと説明すれば納得してくれたのが、その頃はもう『どう言っても無駄・・・』 筆談しても読んだ先から忘れていくので、会話が成り立たない。
 
 だから私はいつもいつも我慢して 帰りの車で泣いてた。
 
 そんなある日、また母の怒りに接して 溜まっていたものが溢れ 持ってきた昼ご飯も食べすに『今日はもう帰るね』と書いて母に見せ、返事も聞かずに家を出た。
 
 車に乗ると、いつものように母は玄関まで見送りに来たけれど、私がいつもと違うのを何となく察してたんでしょう・・・心細い顔をしていた。
 
 もう今日は我慢できないんだもん! 心の中で叫んで私は車を発進させ、バックミラーで母の姿が小さくなるのを見ていた。
 
 数分走って・・・引き返したんだよね。
 
 心細げな母の顔・・・バックミラーに映る小さな姿・・・母が可哀そうで可哀相で、泣きながら引き返した。
 家に戻ると、母は 数分前の決裂の事をわすれていた。
でも何となく気まずく二人で昼ご飯を食べたんだった。
 
 結局、私の心はめでたしめでたしでは終わってないんだけど、あの時の母を思い出すと、やっぱり可哀相で 今でも胸が締め付けられる。
 特養に入居した事は 世間の一部では「姥捨て山」なのかもしれない。
でも、温かい食事が出て、綺麗なお風呂・寝具があり、排泄の世話もしてもらい、笑顔の支援員さん達が側にいてくれる・・・んだよね。
 
 決して、母は一人で月を見てはいない。 ん~今の母には月を見る事さえ無いけど。
雪の中で合掌して正座もしてない。
 
 そんな事を次々に考えて、何度も涙がこみあげるのでした。
 お母さん・・・今 私は何もしてあげてないけれど、大事なお母さんなんだ。大好きだよ。
 
 

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