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2018年2月 9日 (金)

甘酒を母に

 ここ数年、甘酒が静かなブームのよう。
 私はあまり好きじゃないので買った事が無かった。
 
 先日、ふと思いついて特養の母に缶入りの甘酒を買って行った。
 小さめのコーヒーカップに半分くらいを移してレンジでチン、熱すぎてもいけないので、ちょっと味見して火傷しないのを確認してからストローを入れて 母の口元へ。
 
 不思議にストローを口にするとちゃんと吸うのよねぇ。
 程よく熱い液体が母の口に吸い込まれていくのがストローを支える私の指にも伝わる。
おぉ 良い勢い。
 母も喉をごくごくと鳴らす。
 むせると困るので、ちょっとストローを外す。 ごくんとしてから、母が口を可愛く開く。
ああ、もっと頂戴って事だ。
 用心深くストローをまた母の口に。
 
 カフェオレなどを飲ませると3分の1から半分くらいしか飲まないのに、甘酒はあっという間に小さなカップを飲み干した。
 
 母は、甘酒が好きだったなぁ…。
 昔 母は酒粕を買って来て、(多分)ご飯粒を入れて小さな鍋で煮てた。父も好きだったのかもしれない。 ご飯粒を入れるのは 父の発想のような気もする。
残念ながら子どもの私は 全然好きじゃなくて、ストーブの上に甘酒の小鍋が載ってると「うぇ…今日のおやつは これか…」な感じだったと思う。
 
 母の記憶は衰えても、甘酒が好きだったのは まだ残ってたんだね。
その後、続けて缶入り甘酒を持って行き、先日は、固形の素を買ってみた。 フリーズドライの素をカップに入れてお湯を注ぐだけ。
味は同じだし、この方が鮮度が保てていいかな。
 甘い物の後には塩辛い物が欲しくなるから 小さな塩味の米煎餅をさらに小さく割って口に運ぶと これまたポリポリサクサクと良い音を立てて噛み砕く。
 そして甘酒をこくこく。
 
 うん、この組み合わせは良いわ。
 
 2年前なら「ゆうこぉ~ これ 美味しいねぇ」と言ってくれたかな。
・・・2年前だと「おいし! おいし!」だけだったかな。
 
  その日は、母のバッド交換にも立ち会った。
母の居る特養はオムツは無しで、施設が準備した伸縮性の高いパンツをはいて 支援員さんがパッドを交換してくれる。
 慣れた手つきで汚物を処理し清拭してくれる。
 本当にありがとう。
 
  その時 母の膝が曲がらなくなっている事に気づく。
それまでは、寝てる時や車椅子やソファーに座ってる時 母はいつも膝をきゅっとくっつけてて『お上品だこと』と 娘は呑気に思っていた。
 そしたらね…「膝の拘縮が始まってるんですよねぇ…仰向けに寝てる時 無理して伸ばせば伸びなくは無いんですけど」と支援員さん。
 そっと足を伸ばしてみたら・・・完全には伸びなかった。
 
 私も股関節の手術後、動きを規制されてるので、動かし始めた時は 手術とは無関係な関節が固まってて動かすと痛かった。
 
 ああ、母はずっと寝てるか座ってるか…だったから、膝の関節も固まってしまったんだなぁ…。
 
 認知症が始まりかけた頃でさえ「歩かないとボケるから」「歩かないと足腰が弱るから」「今日は40分歩いて来た」と 近所の散歩を欠かさなかった母だったのに…。
 
 手指のマッサージだけじゃなく、次からは膝を温めて動かしてやらないと。
 
 …自分の股関節が思うようにならないのに 母の心配ができるなら、私もまだ大丈夫かな。

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