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2019年5月13日 (月)

花に囲まれて

 「生花のお世話をします」と 火曜日の帰宅後 支援員さんが電話をくれてから 土曜日の午後、初めての訪問。

すでに事務所の女性が預り金から買ってくれた花も飾られている。 

私もカサブランカを買って行った。

一般的には療養中のお見舞いに香りの強い花は禁忌なんだけれど、今の母には「香りも良い刺激」だとの事。

『母桃さんらしく生活できるように、母桃さんが喜ばれる事をみんなでしていきましょう』が共通認識。

 

 母が寝たまま花や窓を眺められるように また家具の配置を変えたと聞いていたので 見るのが楽しみでもあった。

テーブルには 入所当時に私が準備した造花と共に、いくつかの生花が。

 私 花の世話をするのは大好きなので「おかあさ~ん、花の水換えるね~」「これは こっちの花瓶がいいよね~」と声をかけながら 花たちを触る。

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 窓からは5月の風が入って気持ちいい。

 自分用に持って行ったカフェオレを飲みながら 支援員さん達が書いてくれる「母桃さんの記録」を読む。

利用者の一人でしかない母の事を これだけ細かく気にかけてくれて「おかあさん・・・ありがたいね」

手を握っても無反応の母には もう慣れっこ。

 

 ユニットリーダーさんが「今日 母桃さん お風呂に入っていただこうと思ってるんですが、ゆうこさんもいかがですか?」

介助のお手伝いをさせてもらう事にした。

『母と娘のふれあいの思い出づくり』なんだよね。

シャンプーをした。

その姿を施設のカメラで撮ってくれる。

ちなみに・・・母は朝 起きた時に言葉を発する事が多い(多かった)ので、その瞬間の動画を撮る為に 母の部屋にカメラが置いてある。

 脱衣室のベッドに寝かせた母を 看護師さん二人と支援員さんと私4人がかりで拭き上げ ボディクリームを塗る。

「おかあさん、エステサロンみたいだね。これは 3万円頂きますのコースだよ」皆で笑いながら 母に新しいパジャマを着せる。

やせ細った体、お腹だけ硬い。

 

 花でいっぱいの部屋に戻ると 窓からの風が更に気持ちいい。

風呂上がりの水分補給も 今の母には苦痛を増すという事で、スポーツドリンクをスポンジに含ませて 口元を濡らすだけ。

それすらも母は唇をぎゅっと閉じて拒絶の様子。

 こんなに飲まず食わずで生きてるってすごい。

 私の腸閉塞の手術後 絶飲食の時「飲みたい・食べたい」本能と戦う私は 母に牛乳を買って来てもらって「飲んでるとこ見せて」

母がゴクゴクと飲むのを見て 自分が飲んでるのを想像した。

だから「お母さん、ゆうこ飲むからね~見ててよ~」と スポーツドリンクをゴクゴク飲んで見せた。

母は目を閉じたままだけど・・・苦笑。

 

 洗いたての白い髪が風で揺れるのを撫でながら 母との色んな事を思い出す。

私に与えられた優しい幸せな時間なのかな。

切なくもあるけれど。

 

 ストローで吸い上げるのが難しくなってくるだろうからと 少し前に楽のみを買った。今はこんな可愛いデザインのもあるのね。

飲み口も2種類あって、細い方を付けると 母は飲みたい時はそれをちゅーちゅー吸う。

たった2回使っただけだったな・・・。

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 母がただ眠っているだけのように見えるのが 今は救い。

 

 明日は どんな花を買って行こう・・・ささやかな楽しみでもある。

 

 ただ・・・土曜日、今年の最高気温を更新したのを帰宅後に知り、その時はすでに体が重くて起きていられなくなってた。

入浴介助も 形ばかりのお手伝いの私には力仕事こそ無いけれど、浴室は私にとってはサウナのようなもので けっこう堪えた。

 

 あと何回 母に触れられるんだろう。

 

 

 

 

 

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